事業報告

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障害者の福祉


愛のプレゼント運動を展開

わが国では、重度の知的障害と、寝たきりか、やっと座れる程度の肢体不自由が重複した障害を持った方を重症心身障害児(者)と呼んでいます。そのうち、公、私立の施設に入所し、日常的に医学的ケアを受けている方が約1万8000人。また、在宅の困難な状況の中で、家族主体のケアを受けている方も2万人を超えるとみられます。

当事業団では、事業団の前身、愛のプレゼント協会が設立された1968年以来、これらの人々を励まし、共により人間らしく生きていくため、支援の手を差しのべています。重症心身障害児(者)施設への通園事業の助成や、施設スタッフによる療育研究を顕彰する読売療育賞などをもうけ、障害を持つ方やご家族が少しでも安心して暮らせるようお手伝いをしています。

写真:地域巡回事業で、こどもの療育をするスタッフ
地域巡回事業で、こどもの療育をするスタッフ

(2003年04月)

重症児施設の紹介DVDを制作

 事業団は、重症心身障害児施設に入所している子どもたちの生活や看護師による療育の様子を紹介するDVD「重症児と分かちあう力」の制作を支援し、全国の看護師養成施設(大学・短大・専門学校)やボランティアセンターなど関係機関に約700枚を配布しました。

 重症児施設では近年、看護師不足が深刻化しており、看護師やボランティアの募集や確保に役立ててもらうのが狙いです。重度の肢体不自由と知的障害が重複した重症心身障害児(者)は、成人も含め国内に約3万8千人いると推定され、入所施設は200近くあります。

 DVDの活用やボランティアを希望される方には、無料で送付または貸出します。当事業団(電話03-3216-4921)までご連絡ください。

 重症児施設DVD.JPG
    ボランティアの人たちと太鼓を楽しむ障害者(DVD「重症児と分かち合う力」から)

(2010年07月)

盲老人ホーム写真コンクール 最優秀作に福岡・松月園の西さん

 盲老人ホームで暮らすお年寄りの日常の姿を職員やボランティアたちが撮影した全国盲老人福祉施設連絡協議会・第29回写真コンクールの入賞作品が決まりました。最優秀賞には福岡市南区の盲養護老人ホーム「松月園」主任生活相談員、西知加子さんの「桜がくれた笑顔」が輝きました。6月9日、群馬県高崎市で開催された同協議会総会で、表彰式が行われました。

 同コンクールは1981年、まだ余り知られていなかった盲老人ホームのお年寄りたちの姿を広く知ってもらおうとスタートしたもので、当事業団は日本テレビ系列小鳩事業団とともに後援しています。今年は全国26施設から130点の作品が集まり、審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞5点、佳作15点が選ばれました。

 西さんの作品は、園内で開いた花見で車いすの90歳の女性が桜の枝を手に満面の笑みを浮かべた瞬間を見事にとらえたものです。「『みんなやさしくしてくれるのよ』との声が聞こえてきそう。テクニックだけでなく、入居者への愛情が伝わってくる」と、評価されました。
 西さんは「いつも笑顔が素敵で、ポーズもとってくれる方です。コンパクトカメラでたまたまうまく撮れました。うれしい」と喜んでいました。

j受賞作を前に談笑する西さん(右)
 
 受賞作を前に談笑する西さん(右)

(2010年06月)

ボルネオの施設から打楽器のリズム

 マレーシアのボルネオ島には、少数民族のイバン族が生活しており、その知的障害者のため、アジア地域福祉と交流の会http://www5f.biglobe.ne.jp/~ace-jps(中澤健代表)が、通所形式で織物や養鶏、畑仕事などに励める、知的障害者授産センター「ムヒバ」(現地語で調和の意味)を設立しました。子どもから50代の年配者まで13人が通所しており、事業団で昨年、彼らを励ますため、イバン族に古くから伝わる四点の伝統打楽器をプレゼントしたところ、5月になって演奏チームを結成しました、という元気な報告が現地から届きました。

 この打楽器は、シンプルな音を出し、銅鑼(ドラ)に似ています。イバン族は、客人の歓迎、お祭や祝い事、豊作などを願って、この打楽器をよく演奏しスローなリズムに乗って、周りにいる人たちは自然に手や足を動かしながら踊りだします。子どものころから、イバン音楽を聴いて育った利用者たちは、楽器のプレゼントに大喜び。今までさわったことのない、大きな銅鑼を鳴らすと、感激のあまり笑みがこぼれました。そのうち、自然と調和したリズムが繰り返され、踊りだす利用者も増えました。ついに演奏チームができあがり、今では村のイベントで、コンテストに出場するため練習に力を入れているそうです。

イバン楽器の演奏に励むムヒバのメンバーたち
写真は、イバン楽器の演奏に励むムヒバのメンバーたち

イバン楽器の演奏に励むムヒバのメンバーたち
楽器のプレゼントに大喜びのみなさん

(2010年05月)

読売療育賞決まる 最優秀賞は「びわこ学園」

 重症心身障害児(者)施設で暮らす入所者が快適に生活できるように様々な研究・実践に取り組んでいる施設職員の優れた業績を顕彰し、活動を励ます「第5回読売療育賞」が09年10月に北海道小樽市で開かれた重症心身障害療育学会で決まりました。最優秀賞には、びわこ学園医療福祉センター野洲(滋賀県野洲市)が選ばれ、副賞の助成金50万円が贈られました。敢闘賞(副賞各30万円)には、札幌あゆみの園、長岡療育園(新潟県)、徳島赤十字ひのみね総合療育センターの3施設が選ばれました。

 最優秀賞が贈られたびわこ学園は、入所者が食事の際にむせたり、誤って肺にのみこんでしまったりするなどの摂食機能低下の原因を分析し、時には死にもつながる呼吸器感染症の予防に取り組んだことが高く評価されました。また、敢闘賞の札幌あゆみの園は、骨折しない着替えの研究に取り組みました。その結果、(1)人工呼吸器に気をとられ、下半身への注意が不足(2)曲がって固定された腕や足首の扱いが不十分―などが判明。着替え介助は二人でするなどの改善策を導入しました。

写真:入所者の食事を介助する作業療法士=びわこ学園野洲で
写真キャプション 入所者の食事を介助する作業療法士=びわこ学園野洲で

 

歴代の読売療育賞受賞施設

第4回(2008年)  最優秀賞 わかば療育園(広島) 重症心身障害児(者)の視力検査結果に基づく療育活動
敢闘賞 北海道療育園
あしかがの森あしかが通園センター(栃木)
東京都立東部療育センター
神奈川県立こども療育センター
聖隷おおぞら療育センター(静岡)
南愛媛療育センター(愛媛)
久山療育園重症児者療育センター(福岡)
はまゆう療育園(熊本)
第3回(2007年)  最優秀賞 愛知県心身障害者コロニーこばと学園 重症心身障害児(者)の生活の質に関する研究
敢闘賞 秋津療育園(東京)
小羊学園つばさ静岡
びわこ学園医療福祉センター草津(滋賀)
砂子療育園(兵庫)
旭川荘療育センター児童院(岡山)
江津湖療育園発達医療センター(熊本)
佐賀整肢学園こども発達医療センター
やまびこ医療福祉センター(鹿児島)
第2回(2006年)  最優秀賞 島田療育センター(東京) おむつ内の温湿度変化から捉えた取り組み
敢闘賞 北海道済生会西小樽病院みどりの里
長岡療育園(新潟)
信濃医療福祉センター(長野)
神奈川県立こども医療センター
おおぞら療育センター(静岡)
青い鳥医療福祉センター(愛知)
第1回(2005年)  最優秀賞 横浜療育医療センター(神奈川)  超重症者に対する口腔ケアの取り組み
敢闘賞 北海道療育園
長岡療育園(新潟)
むらさき愛育園(東京)
みどり愛育園(東京)
神奈川県立こども医療センター
小さき花の園(神奈川)
山梨県立あけぼの医療福祉センター
おおぞら療育センター(静岡)
(2009年11月)

盲学校で音声解説付きの映画上映

 東京都立文京盲学校で10月、解説副音声付きの映画『スウィングガールズ』の上映会がありました。女子高生がジャズバンドを結成し活躍するストーリーで、視聴した高校生40人は、ジャズのスタンダードナンバーが流れると手拍子や体をスウィングさせ、楽しんでいました。7回も見たという女生徒は、今回の音声解説で「細かいことが初めて分かりました」と話していました。

 この映画会は、目の不自由な方にも映画を楽しんでもらおうと、日本点字図書館(東京・新宿)が、既存の映画に音声解説を付け、月1回上映している「光と愛のシネマ」の出前版。今回、盲学校で初めて上映しました。

写真:映画を楽しむ盲学校の生徒たち 写真キャプション映画を楽しむ盲学校の生徒たち

(2009年10月)

障害児スポーツのワークショップ アジア4か国が参加

 障害児スポーツのネットワークをアジアに広げていこうと09年7月17日から3日間、千葉県柏市などで「スマイルアジアワークショップ2009」(読売光と愛の事業団など後援)が開かれました。中国、韓国、タイ、日本の大学を主とした体育、保健関係者らが集い、各国の実情について情報交換をしたり、スポーツ教室に子どもと一緒に参加したりして、交流を深めました。

 「アジアにおける発達障害児の社会的自立に関するネットワーク構築」と題されたショップは、2006年の北京大会に次ぐ開催。総合型地域スポーツクラブで、障害を持つ子供が主体の「運動が苦手な子の教室」を千葉、茨城、大阪で計20教室開いているNPO法人「スマイルクラブ」(千葉県柏市、大浜あつ子理事長)が主催しました。海外から参加したメンバー計6人は討議のほか、知的障害者が学ぶ高校や生活する福祉施設を見学、課外で開かれている体操教室の取り組みも熱心に見て回りました

 船橋市立大穴小学校の体育館で土曜の午後に開かれた教室では、マット運動やゴムボールを使った野球に加わり、いいプレーが出ると大きな拍手をして、子どもたちを励ましていました。中国農業大学(北京)の准教授、黄亜茹さんは「感覚刺激を与えるのは健康のためにもとてもいいことですね」。ボランティアの活躍に目を見張った梨花大学(ソウル)の金明教授は、「学校の体育館を活用し、民間団体が教室を開いているのがすばらしい」。また、スリナカリンビロード大学(バンコク)のスカンヤ准教授らも、障害を持つ子供たちでも気軽に運動できるよう、組織作りを学び、このプログラムを共有していきたい、と話していました。

写真:子どものマット運動に拍手するアジア各国のメンバー(後方)
 
写真キャプション子どものマット運動に拍手するアジア各国のメンバー(後方)
写真:知的障害者の運動について話し合う4か国の参加者
写真キャプション知的障害者の運動について話し合う4か国の参加者


 


スリランカで障害児の健康プログラム

 スリランカのコロンボ近郊にあるウダーナ特別障がい児センターで09年6月11日、障害を持つ23人の子供たちの健康診断と栄養講座が初めて行われました。現地で活動するNGO「スランガニ基金」の要請で、事業団ではプログラム実施に伴う医師の派遣や医薬品の入、健康手帳作成費などを助成しました

 センターに通う子供たちの障害は、ダウン症、自閉症、聾唖、脳性麻痺など様々ですが、みんな健康診断の日を指折り数えて待っていました。子供たちの家庭は経済的に困難なため薬も買えず、病院は遠いため健康診断もできなかったからです。

 小児科医や作業療法士の先生は熱心に診察してくださり、家庭でもできるリハビリを子どもや保護者にていねいに教えてくれました。また、診断後に処方された薬(ビタミン剤やシロップ)を受け取った母親は「貧しいため買えなかった」と涙ながらに感謝していました。栄養講座では、食の細い子供たちに対する食べさせ方から病気への応急処置まで専門の講師が講演し、その巧みな話術に保護者たちも大きくうなずいていました。

写真:咳き込む症状のあるラクシャン君を診察するプシュハ医師(左)
 写真キャプション咳き込む症状のあるラクシャン君を診察するプシュハ医師(左)
写真:栄養講座で、専門家の話を熱心に聞く保護者たち
写真キャプション栄養講座で、専門家の話を熱心に聞く保護者たち

(2009年09月)

東京・秋津園で福祉コンサートを開催

 東京都東村山市の重症心身障害児者施設・秋津療育園で、09年6月21日、日本声楽家協会のメンバーによる「歌とピアノのコンサート」(事業団主催)が開かれました。事業団が園生の皆さんに生の音楽に触れてもらおうと企画したもので、約100人の園生を前にソプラノの荒武菜穂子さんが、松田浩子さんのピアノ伴奏で麗しい声を披露しました。

 演奏した曲は「エーデルワイス」「夏の思い出」など、おなじみの曲ばかり。荒武さんが「幸せなら手をたたこう」を歌い始めると、園生たちは一緒に手をたたいたり、体を揺さぶったりしてリズムを取り、「アイヤー」という掛け声も。

 同園のスタッフは「みんな表現の仕方は違いますが、園生がそれぞれに楽しんでいるのが分かりますね」と、目を細めていました。

写真:園生を前に美声を披露する荒武さんと伴奏の松田さん
写真キャプション園生を前に美声を披露する荒武さんと伴奏の松田さん

(2009年09月)

作業所緊急助成事業 助成先47施設決まる

 世界同時不況により、受注作業の大幅減少など大きな打撃を受けている作業所を支援する読売光と愛の事業団の緊急助成事業の助成先が決まりました。全国の作業所から103件の応募申請があり、審査の結果、47施設に助成金(各20万円)を贈ります。

 本事業は、障害者のみなさんが働く小規模作業所を応援。工賃の確保、増収につながる事業や運営資金として役立ててもらうものです。今回助成が決まった施設では、景気の影響を受けやすい企業の下請け仕事のみに頼らず、地域資源などを生かして安心な食品を製造したり、オリジナルデザインのTシャツを自主開発したりする試みが目立っています。助成先には個別に通知し、7月末に支給の予定です。

イラスト:くヒカル君とアイちゃん
写真キャプション

緊急助成が決まった団体

(2009年06月)

韓国でロービジョン・セミナーを開催

 韓国・ソウル市で「韓国ロービジョン・セミナー」を08年10月に開催しました。読売光と愛の事業団と九州ロービジョンフォーラム(高橋広代表)、それに現地の韓国失明予防財団による日韓の共催セミナーがはじめて海を渡って実現しました。「低視力児のケア」をテーマにして、視覚障害児や父母、医療関係者ら約100人が参加し、熱心に聴講しました。

 韓国側の医療関係者らはここ数年、九州地区で開かれているロービジョン・セミナーに参加しており、韓国に比べて進んでいる日本の取り組みを紹介してほしいと要望があり、ソウルでのセミナーが実現しました。韓国側からは、盲学校教師や眼科医師らが、韓国における低視覚児の教育概況や医療の実情などについて講演しました。日本からは、高橋広眼科医師や視能・生活訓練士らが、日本における低視覚児の現状や医療、検査、訓練法などについて講演と講習をしました。

 セミナーには現地テレビ局の取材も入り、日本の取り組みをアピールしました。また、終了後の交流会では、両国間の現状や問題点について関係者が日本語、韓国語、英語をまじえて熱く語り合い、有意義な情報交換の場となりました。

写真:日韓が共催し、ソウルで開かれたロービジョン・セミナー
写真キャプション日韓が共催し、ソウルで開かれたロービジョン・セミナー

(2008年11月)

読売アイバンク

 事業団では、目の不自由の方が光を取り戻せるよう、角膜移植の仲介をする読売アイバンクを運営しています。

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