読売福祉文化賞

第20回読売福祉文化賞 3年ぶりに贈呈式開催(2022年12月)

 新しい時代にふさわしい福祉活動を実践している団体や個人を顕彰する「読売福祉文化賞」の受賞6団体が決まりました。20回目を迎える今年は、一般部門に58件、高齢者福祉部門に22件の応募がありました。12月7日に読売新聞東京本社で3年ぶりに贈呈式が行われ、受賞団体には活動資金として100万円が贈られました。

 受賞団体は次の通り。

受賞団体一覧.jpg 6団体の活動内容は12月7日の読売新聞に掲載されました。こちらからご覧になれます。

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受賞団体の皆様と記念撮影(12月7日、読売新聞東京本社で)

 

 

★贈呈式での受賞者の挨拶(一部)をご紹介いたします。

一般部門 一般社団法人シブヤフォント(東京都渋谷区)

共同代表 古戸勉さん

 知的障害者の就労支援のB型作業所を三十数年続けてきましたが、ここ5、6年、いろんな方々が一緒にやりましょうと言ってくれて、おかげさまでいろんな方と知り合えたし、開かれた事業所になりました。閉鎖的なゆえに問題も起こります。だから、福祉の現場だけで固まるのではなくて、いろんな方と手をつなぐことが絶対に必要だと思います。

アートディレクター カセム・ライラ・フランセズさん

 学生が福祉施設に行って、彼らの様子を見て一緒にコラボして新しい現場を作り、デザインが出来ます。その中で私が学生に言っていることは、デザインは人を思うことです。福祉の現場では当たり前のことですが、まだ多様な人を認め合っていないのではないか。私は、助け合うということではなくて、多様な人同士がいろんな立場で何かをすることで、互いに高めあうということが大事だと思っています。

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 共同代表の古戸勉さん(左)とアートディレクター のカセム・ライラ・フランセズさん

一般部門 NPO法人響愛学園パラ・アーティスト・マネージメント協会(愛知県一宮市)

理事長 児島真里子さん

 響愛学園は、3~18歳までの障害を持つ子どもに対し、音楽やアートを教えている団体です。今回受賞したパラ・アーティスト・マネージメント協会は、そこから、障害を持った子どもたちのチャンスや希望や夢をもっと世界に広げようということで2018年に立ち上げました。しかし、すぐにコロナが始まり、この3年はなかなか活動が出来ませんでした。でも、もうそろそろ活動してもいいかなと思い、22年春から活動を開始。その矢先に今回の受賞となり、背中を押してもらったと思いました。3月にコンサートをし、さらに9月にも全員が視覚障害者というコンサートをやりました。お客さんは皆さん一般の方で、勇気をもらった、感動した、元気になったという声が聞かれます。社会的には弱者で、実力はあっても外に出られない方が多いのですが、私どもがしっかりサポートしてやれたらいいなと思っています。

音楽監督 川島圭太さん

 障害を持っているからではなく、1人の人間として魅力があるということで、私たちはその方のマネージメントをしていきたいです。

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 理事長の児島真里子さん(右)と音楽監督の川島圭太さん

一般部門 認定NPO法人タンデム自転車NONちゃん倶楽部(松山市)

理事長 津賀薫さん

 最初は視覚障害の方を対象にしていたのですが、いろいろな方が入ってこられて今では一人で歩けない子たちも参加しています。一番びっくりしているのは、生まれて1%も歩く可能性はありませんと言われていた男の子が、ペダルを回すのに2か月かかったものの、連動型タンデムに乗せたら、1年足らずでしまなみ海道を走ったこと。脳動静脈奇形の高校生の男女も、しまなみ海道を20キロ走りました。可能性って無限だと感じています。1年に1回、冊子を出しており、たくさんの障害者のチャレンジを掲載しています。今治から尾道まで60キロを走りたいという夢を語ってくれた子たちがいるので、その夢をかなえてあげたいとプロジェクトを立ち上げました。頑張ります。

2022fukushibunkaAward_nonchan.JPG 理事長の津賀薫さん(左)と副理事長の伊藤三奈さん


高齢者福祉部門 NPO法人SET(岩手県陸前高田市)

広報ファンドレイズ部長 山本晃平さん

 私たちはこれまで福祉という言葉を使って、活動を説明したことはありません。活動の始まりは東日本大震災です。大学生がボランティアをするつもりで活動をしに行ったら、家族を亡くし、地域も消滅したが、自分に残された命をこれからどう使おうかと真剣に向き合っている地域の方々に出会って、どういうふうにこの命を使っていくかを考え、活動が始まりました。学ばせてもらうことのほうが多くて、街のひとたちも同じかと思いますが、これが自然体になり、結果的に福祉文化なのかと感じています。10年間活動して、今、デンマークと連携した事業をしています。デンマークでは、助け合いとか、1人1人が幸せであることが大事にされるという考え方があり、日本で知っていた福祉とは違うと思っています。その中で私たちの活動も福祉という面で発展していく可能性があると感じています。

2022fukushibunkaAward_set.JPG 広報ファンドレイズ部 部長の山本晃平さん

高齢者福祉部門 認定NPO法人たすけあいの会ふれあいネットまつど(千葉県松戸市)

代表 佐久間浩子さん

 25年以上前、松戸に来てから専業主婦でボランティアを始め、(退官後に福祉活動に取り組んだ)堀田力さんのセミナーに行って衝撃を受けました。有償ボランティアの団体を立ち上げた女性の代表が全国にたくさんいたのです。松戸でもやりたいと、有償ボランティアの会をつくりました。困った時は言っていただき、やってもいいよという人がいたら、それをつなげるという活動を24年間、続けています。有償でやってくれるので気兼ねなく頼めるという良さもありますし、協力するほうも、自分がなにか出来るというわけでもないのに、こんなに喜んでもらえる、そういうお互いに人と人のかかわりの中で、すごく喜びをもらっています。これが原点です。介護保険制度で出来ないこともたくさんあります。出来ないことを助けし合うことをもっと続けていきたい。地域の中で小さくてもいいので、そういう団体がたくさんあって活動をすることがすごくいいと思っており、それをまとめていけるようにしたい。

2022fukushibunkaAward_matsudo.JPG 代表の佐久間浩子さん

高齢者福祉部門 NPO法人UPTREE(東京都小金井市)

代表理事 阿久津美栄子さん

 小金井市で、家族の介護をしている人を支援する活動をしています。私自身、38歳で両親の介護と子育てが重なりました。50歳を過ぎてから両親の介護をするのだろうと思い描いていた人生がすべて変わりました。介護してみてわかったことは、介護者への支援は日本ではないということでした。当事者にならないと分からないことです。介護というのは、この核家族が多い中で、だれもが必ず経験されると思います。介護保険制度はありますが、今、需要と供給のバランスが崩れてきています。2024年に改定があり、高い区分だけ残して下を切るということになっています。そうなると、家族が面倒をみないといけない。そういう時代に突入しています。スタンプラリーをしながら、事業所とか地域の介護についての知識を知っている方につながることで、介護保険だけではなくて、地域で支えることが出来るという仕組みをつくっています。今回、そのモデルとして私たちの活動を全国紙に載せていただき、全国に広がればいいなと思っています。

2022fukushibunkaAward_uptree.JPG 代表理事の阿久津美栄子さん(右)と事務局の勝山昌代さん