子ども育成支援事業 助成先17団体決定 総額680万円(2025年08月)
子どもたちの健全な育成を目指し、支援活動をしている団体を助成する「子ども育成支援事業」の助成先団体が決まりました。8年目を迎える今年の申請は昨年より16件少ない91件。選考の結果、17団体に対し計680万円の助成が決定しました。事業は、生活困窮家庭の子どもの学習支援や食品贈呈、生きづらさを抱える若者の居場所事業、児童養護施設の子どもたちへの学習支援など様々で、子供たちに寄り添った多彩な事業が今年も選ばれました。
◆生きづらさ抱える若者らに食事提供や学習・就労支援 札幌市の「NPO法人CAN」 50万円助成
助成先の一つ、札幌市豊平区のNPO法人CANは、社会的養護の出身者や様々な逆境的環境下で生まれ育ち、家族に頼ることが難しく生きづらさを抱える20歳代前後の若者を対象に居場所の提供や学習・就労支援などを行っています。
2004年から電話相談などを手始めにスタートし、スタッフはボランティアを含めて計6人。活動の場は居場所「ピッケノハコ」(=写真=)で、土日祝を含め週6日(木休)開室しています。利用者との距離感を大切にし、後ろから支えたり前から引っ張ったりするのではなく、利用者自身の考えに寄り添うことをモットーとしているといいます。代表の屋代通子さんは「『居場所事業』には現在、固定の財源がないため、今回の助成決定はとてもありがたいです。何もしなくてもありのままの自分でいられる場が、世代を問わずどんな人にも必要なことをもっと社会に知っていただくきっかけになると嬉しいです。」と喜んでいました。
憩いの場となる居場所『ピッケノハコ』で作業するスタッフ(2025年8月)
子ども育成支援事業 助成先一覧 | |||
都道 府県 |
団体名 | 助成申請内容 | 助成額 単位・万円 |
北海道 | NPO法人 CAN |
札幌市豊平区で生きづらさを抱える若者に対する居場所事業。週6日、相談や食事提供。部屋賃借料、食材費、スタッフ謝金 | 50 |
岩手 | NPO青少年未来プロジェクト | 奥州市の小中高生に無料で週2回、学習支援、弁当配布。一日定員12人。ボランティア謝金や弁当代など3か月分 | 50 |
福島 | 一般社団法人 CARNIVAL WORKS |
福島市内外のひとり親家庭などの子どもたちを対象にした「無料塾」など開催。食材費、人件費、ガソリン代など | 50 |
茨城 | 認定NPO法人 キッズ王国 |
鉾田市で月2回、困窮世帯を含む中学生らに昼ごはん100食提供。イベントも開催。4回分の食材費、消耗品費、交通費など | 20 |
群馬 | NPO法人 ターサ・エデュケーション |
前橋市で不登校児童生徒向けフリースクール運営。卒業生らが気軽に出入りできるユースセンターを開設。人件費、ボランティア交通費、会場費など | 50 |
埼玉 | NPO法人 羽生の杜 |
羽生市で主にひとり親家庭を対象に月2回の子ども食堂とフードパントリー。食材費など | 50 |
神奈川 | NPO法人 Connection of theChildren |
横浜市西区で多文化拠点運営。今年度から子どもに調理に参加してもらう子ども食堂スタート。食材費、ボランティア・スタッフ謝金 | 50 |
神奈川 | おっちー塾 | 横浜市戸塚区で不登校児童や外国籍の子ども対象に居場所提供・学習支援。住民税非課税世帯は会費免除。大山宿坊への宿泊体験費用 | 40 |
新潟 | NPO法人 新潟県フードバンク推進協議会 |
県内のひとり親や困窮家庭の1万世帯に食糧や学用品を送付。北陸4県のこうした家庭にXmasプレゼントとして書籍を送り、メッセージ伝達。郵送費、人件費など | 50 |
静岡 | あいうえお+プロジェクト | 磐田市でひとり親家庭、多子家庭、貧困家庭などに地元の食材使った食事を提供。食材費、会場費、スタッフ謝金など | 40 |
三重 | NPO法人 陽だまり |
津市で年間110日、居場所提供し、子どもたちに負担をかけずにおやつを出したり、学習支援したり。備品購入費、運営費 | 10 |
京都 | NPO法人 HOPE300 |
京都市伏見区で留学生が立ち上げた団体。本業とは別に子ども食堂開催。7月から毎土曜に加え、火、木曜も開催。食材費など | 20 |
大阪 | こども食堂ひなた | 大阪市天王寺区でファミリーホームを経営しながら、シングルマザーらに月1回、弁当や食材を配布。食材保管のための大きい冷蔵庫購入 | 30 |
兵庫 | TEARDROPS | 神戸市西区内で経済的理由や地理的理由で塾に通えない小中学生などに無料の学習支援。参考書代、食事提供代、スタッフ謝礼 | 20 |
香川 | 西宝町みんなの居場所 | 高松市の書道教室からスタートした子ども食堂での経験を活かし、毎月テーマを変えて心身の健康維持、自立イベント開催。講師料、ボランティア謝金、防災グッツ代 | 50 |
福岡 | どの子も凸凹プロジェクト実行委員会 | 福津市内でコロナ禍以降、月1回、児童扶養手当など受給の70世帯の希望者に食品配布。支援用古米が激減。米購入費など | 50 |
宮崎 | ラーニングパーク | 退職教員8人が貧困家庭などの小中学生対象に学習支援。テキスト代、会員交通費、外部講師謝礼など | 50 |
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