福祉作業所で働く人たちの自立を支援する「生き生きチャレンジ助成事業」の助成先を決定しました。今年度は56作業所から応募があり、選考の結果、14作業所に総額500万円を支給することになりました。売り上げ回復や維持が期待でき、雇用の維持や工賃・賃金アップにつながる設備投資に使ってもらいます。

　助成が決まった作業所と助成事業の内容、助成額は次の通りです。

手延べの五島うどん製作の五島あすなろ会

品質安定のため除湿器購入に50万円助成

　長崎県五島市のＮＰＯ法人五島あすなろ会が運営する「あすなろ作業所」は、福祉サービスの就労継続支援Ｂ型作業所で、23人の障害者が働いています。市指定のごみ袋の製造やお墓参り代行サービスのほか、メーンの事業として特産の五島うどんの製造販売をてがけています。

　五島うどんは腰の強い細麺で、生地に特産のつばき油を塗るため、つるっとしたのど越しが特徴の乾麺です。作業所では、数種類の小麦粉を塩水で練り上げ、生地を手作業で引き延ばす伝統的な製法にこだわっています。

　品質を安定させるために保管庫での湿度の管理が重要で、これまでは小型の除湿器を使用していましたが、排水タンクの水捨ての手間が大変で、こぼして菌が発生する可能性もありました。直接室外に排水可能な大型の除湿機の購入を希望して事業団に応募、費用の一部として50万円の助成が決まりました。

　理事長の土岐寛志さん（42）は「コロナ禍で飲食店やホテルでの売り上げが減って大変でしたが、五島うどんをふるさと納税の返礼品にしていただいたり、五島が朝ドラ「舞いあがれ！」の舞台となったりしたことで回復の兆しが出ています。今回の助成でより品質を安定させ、売り上げアップを目指したい」と話していました。

　　　　　　　　五島うどんの手延べ作業をする作業所の利用者ら（あすなろ作業所で）