子ども学生

読売・郡司ひさゑ奨学生4人が卒業(2025年06月)

 児童養護施設や里親家庭の出身者の進学を支援する「読売・郡司ひさゑ奨学基金」の奨学生は今春、23期1人、25期3人の計4人(男性3人、女性1人)が大学や専門学校などを卒業しました。1人が大学院へ進学、3人が就職し、ネットワークエンジニア、スポーツトレーナー、国家公務員として働き始めました。

 4人の卒業報告はこちらからご覧になれます。

 HP用卒業奨学生写真 縮小.jpg4月から国家公務員として社会人としての一歩を踏み出したのは、首都圏の児童養護施設出身で、首都圏の専門学校を卒業した男性=写真=です。このほど卒業報告が届き、充実した学校生活や、挑戦し続けた就職活動などについて振り返ってもらいました。通学した2年間は「あっという間でしたが、大きく成長できました」と達成感いっぱいの様子。「学力が上がりました。学校では勉強を繰り返し、これまで分からないとしていたものを、分かるに変えることで数々の試験をクリアできました」。こつこつと努力を続け、勉強することが楽しくなっていった様子がよくわかりました。公務員試験まであと半年のタイミングでは、毎日午後7時30分過ぎまで1人で学校に残り、勉強を続けました。

進路の選択には悩みも。「もともと消防官志望でしたが情報収集する過程で自分に合っていないと感じ、事務系に変更しました」といい、自分と向き合い熟慮し思い切って進路変更したようです。

具体的な就職先として国家公務員を選択したのは、たくさんの人に役に立ちたい、との自分の強い思いからでした。「私自身、様々な人に支えられ、ここまで生きてくることができました。自分と同じように助けを求めている人を支えたい。でも地方の人に限定せず、広く役に立ちたいとの思いを持ちました」といいます。多くの省庁を何度も訪問しました。応募が集中しないとされる前半のシーズンに狙いを定め取り組んだ結果、別の省庁の最終面接に進むことができました。しかし結果は不採用。「落ちると思っていませんでした。官庁訪問を一時的に止めてしまった中で後半シーズンが始まりました。倍率は何十倍にも膨れ上がり、何度も挫折を経験しました」と苦しかったようです。幾度となくくじけそうになったといいますが、持ち前のあきらめない気持ちで前へ進みました。「これまでたくさんの人たちに応援していただいた」との強い思いも、挑戦の原動力になったといいます。「苦労して手に入れた内定でした。この経験がまた一歩、自分を成長させたと思っています。これからはたくさんの人を支えられるように精一杯できることをします」と力強く決意を語ってくれました。

当事業団の奨学金にも触れてもらいました。「専門学校の2年時はアルバイトをせず就職活動に専念することができて、夢をつかむことができました。本当にありがとうございました」。報告とは別に入省後も男性から「慣れないことばかりで大変ですが自分の名刺もいただき社会人になれたなと自覚しました。引き続き精一杯頑張ります!」と元気な近況をいただきました。

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