子ども学生

読売・郡司ひさゑ奨学生8人が卒業 感謝を胸に新たな進路へ(2026年04月)

 児童養護施設や里親家庭の出身者の進学を支援する「読売・郡司ひさゑ奨学基金」の奨学生は今春、244人、264人の計8人(女性6人、男性2人)が大学や専門学校を卒業しました。7人が就職し、1人が進学しました。職業は、理学療法士、信金職員、IT企業、福祉職、調理師、アパレル店員、美容師と多彩。1人は美容系の専門学校に進学する道を選びました。事業団に寄せられた卒業報告は、支えてくれた方々への深い感謝に溢れています。悩みや苦労を伴いながらも充実した学生生活を送り、夢や希望、不安を胸にそれぞれの進路に踏み出す心境が書かれていました。

※8人の卒業報告は、26年卒業報告.pdfからご覧になれます。

 4年制大学を卒業し、理学療法士として社会人生活を始めた関東の女性(写真左)は、大学での講義、実習だけでなく、多様な価値観を持った人たちとの出会いが印象に残りました。「自分とは異なる考え方や背景を持つ人と関わることで、新たな視点を得ることができ、物事を多角的に捉えるか力が養われました」と自分自身の成長に大きくつながったようです。また、思うようにいかず、未熟さを痛感することもありましたが「その都度、自分自身と向き合い試行錯誤を繰り返し少しずつ乗り越える力を身に付けました」と明かしてくれました。今後は「患者様一人ひとりに寄り添い信頼される医療人になれるよう努めます」と誓っていました。

 

IT企業に就職した首都圏の女性は、大学生活で相手の立場や状況を考えながら自分で考えて行動する力を身に付けたことで、大きく成長できたといいます。入学当時は目の前の課題に取り組むことで精いっぱいでしたが、ゼミ活動や課外活動を通して「どうすればより良くなるのか」を自問自答し、深く思考したことが改善につながったといいます。東京都内で取り組んだ使用済み紙おむつの再資源化をテーマにした卒業研究では、市民団体との連携やワークショップの企画・運営などを通して地域と直接関わり、現場の大切さを学びました。軽音部ではドラムを担当(写真右)し、息を合わせながらの演奏に協調性や継続力が養われたといいます。

 

 専門学校を卒業して4月から調理師として働き始めた男性は、学習意欲にあふれた2年間でした。新しい調理技術を日々吸収し、努力すればするほど上達する成果にやりがいを感じたといいます。学科も、食材、細菌、健康についてなど様々な専門的な知識を学び、普段の買い物でも食品表示の成分を気にするようになりました。調理の一つ一つの工程に深い意味があると気づき、もっと学びたい、知りたいと思ったそうです。勤労感謝の日には施設に戻り、日ごろの成果を発揮して料理を振舞いました(写真左)。「美味しかった、ありがとう」。温かい言葉にかつてないような幸せを感じ、調理師として生きていく決意が一層固くなりました。

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