第22回読売療育賞は四天王寺和らぎ苑(大阪)に決定 (2026年10月)

 重症心身障害児施設の優れた実践研究を表彰する「第22回読売療育賞」(読売光と愛の事業団主催)の最終審査が10月2日、大分県別府市内で行われ、最高賞の療育賞に、四天王寺和らぎ苑(大阪府富田林市)の「表現活動を通して入所者の外出につなげる取り組み」が選ばれました。

 読売療育賞は、公益社団法人日本重症心身障害福祉協会が主催する「重症心身障害療育学会学術集会」に寄せられた研究報告を選考対象としています。今年で第37回を迎える学術集会は、10月1日から2日間、別府市で開かれ、昨年より6件多い94演題の発表が行われました。

 その中で読売療育賞に輝いた四天王寺和らぎ苑の取り組みは、医療依存度の高い入所者にも外出と社会参加の機会をと、入所者自身が職員とのコミュニケーションの中で画用紙に表現した作品を、外部の展覧会に出品し、入所者と職員でそれらを鑑賞しに出かける活動を積み重ねていく、というものです。選考委員から「多職種による連携・協働の好例」などと高く評価されました。 

 実践報告の発表によると、同施設では2023年度から入所者らの表現活動の様子のSNS発信を始めたところ、これを見た障害者アートの関係団体から展覧会への出展依頼を受け、そこから活動が広がっていったそうです。25年6月には大阪・関西万博の会場内で催された展覧会に38作品を出展し、2日間で入所者21人と施設職員29人が鑑賞に訪れました。

 研究内容をまとめ発表した同施設作業療法士の木村基(はじめ)さんに、表彰式で事業団の横田博行常務理事から、記念のトロフィーと助成金50万円の目録が手渡されました。木村さんは「出展することで、単なる作品づくりの活動にとどまらず、入所者と作品を見に来た方たちとの交流が生まれます。施設全体で一つの目標に向かって協力し合う、このような取り組みをこれからも続けていきたい」と喜びを語りました。

 また奨励賞(助成金30万円)には、びわこ学園医療福祉センター草津(滋賀県草津市)の「ベッド柵上げ忘れ防止装置の開発と安全性の検証」、姫路聖マリア病院重度障害総合支援センタールルド(兵庫県姫路市)の「重症心身障害児(者)の「不快」を学ぶ体験型研修による職員の行動変容」、障がい児者医療生活支援ホーム虹の家(福岡市)の「重症心身障害児(者)に対する継続的なスパイダー療法が粗大運動能力および介護負担に及ぼす影響」の3演題がそれぞれ選ばれました。

                  四天王寺和らぎ苑 木村基さん(作業療法士)

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